むし歯と砂糖の関係について
2021.08.25スタッフブログ
こんにちは!
葛飾区立石の歯科医院、医療法人社団栄怜会ニコデンタルクリニックスタッフの国岡です(^^)
今回は『砂糖』とむし歯についてお話ししていきます。なぜむし歯になるのか患者様とお話しする際、「甘いものが好きだから」「おやつをよく食べるから」というお答えをいただくことがよくあります。
『むし歯=砂糖をよく摂取する』というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
そもそもむし歯とは多因子性疾患のため1つの原因だけで起こることはありません。
むし歯の病因を理解しやすくする図として知られるKeyesの3つの輪でも【宿主(歯の質や唾液)】【糖質】【細菌】の要因があり、そこに【時間】因子を加え4つが重なり合った時、むし歯が発症する可能性が高いといわれています。
ですが、むし歯の発症要因として食生活と密接に関連した生活習慣病の1つとして考えられており、むし歯の予防には適切な食生活が必須です。
『砂糖』がむし歯を発生させるメカニズムは
①口腔内のミュータンスレンサ球菌群が、砂糖から粘着性の不溶性グルカンを菌の周囲に賛成する
②不溶性グルカンとともにミュータンスレンサ球菌群が、歯に付着してプラークを形成する
③歯に付着したミュータンスレンサ球菌群が、砂糖を代謝して乳酸やギ酸などの酸を産生する
④酸により歯質が脱灰され、むし歯を形成する
ではむし歯を予防するために、私たちはどのように砂糖を摂取すれば良いのでしょうか?
砂糖の摂取頻度がむし歯の発生と密接に関係することがスウェーデンで実施された研究によって明らかにされています。
この結果を簡単にまとめると
①食事の時に一緒に砂糖を含む食品を摂取した場合はむし歯の発生率が低いが、間食として砂糖を摂取させた場合はむし歯の発生率が上がる
②口腔内に停滞しやすい粘着性の高い食品を摂取するとむし歯の発生率が上がる
③間食の回数が増えるとむし歯の発生率も上がる
①と③に関しては砂糖の摂取回数が少ないとむし歯の発生率が低いということを表しています。ではなぜ間食の回数が増えるとむし歯発生率が上がるのでしょうか?
私たちは食事のたびに、食事に含まれる糖類によってプラークのpHは歯の無機質が脱灰される臨界pH(p H5.5)以下に低下し、歯のエナメル質が脱灰されます。しかし、食事の時に分泌される唾液によってプラーク中の酸は中和され、カルシウムイオンとリン酸イオンが再び沈着し、歯は修復(再石灰化)されます。
ところが食事と食事の間に頻繁に間食を摂ると、歯の脱灰が再石灰化を上回り、初期むし歯が発生します。これらのことから、だらだらとした不規則な糖類の摂取を避けることがむし歯予防につながります。
そして②に関しては食品の滞在脱灰能が関係しています。食品の滞在脱灰能とは食品の糖質量(酸産生能)と粘着性(口腔内残留時間)を掛け合わせたものです。
そこからう蝕誘発能指数(CPI)を求めることでその食品のう蝕誘発能指数を求めることができます。
日常生活でここまで計算をすることはほとんどないかと思いますが、イメージとしてして口に残りにくい液体やゼリー状のものはむし歯のリスクが低く、残りやすいものはむし歯のリスクがあると簡単に考えていだけたらと思います。
お子さんの間食に関してご質問いただくこともよくありますが、まずは間食の回数と時間を決めていただくこと。そして間食の内容としてお口に残りやすそうか、そうではないかを考えていただくと良いのではないかと思います。
今回は『砂糖』とむし歯の関係についてお話しさせてるいただきました。
当医院では唾液検査も実施しており、ご自身のむし歯のなりやすさを検査することもできます。それと合わせて食生活に関しても一緒に考えていくお時間を作っております。
お子様の食事や間食に関してもお話ししておりますので、ぜひお気軽にお声がけください(^^)
医療法人社団栄怜会ニコデンタルクリニック
東京都葛飾区立石2-26-17
03-3693-2880
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