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小児のう蝕(子どものむし歯)についてのお話し🦷

こんにちは!
葛飾区立石の歯科医院、医療法人社団栄怜会ニコデンタルクリニックの山戸です。

皆さんはお子さんの口腔内を見たことはありますか?また、お子さんがう蝕になり、治療されたことはありますか?今回は乳歯のう蝕についてお話ししたいと思います。

『乳歯う蝕の特徴』
・小児は歯を磨くことにあまり慣れてきません。そのため、口腔清掃が不十分になってしまいます。また、スクロース(砂糖)を摂取する機会が多いため、容易にう蝕が発生します。特に、乳歯のエナメル質は永久歯と比べて薄く、石灰化度が低いため、う蝕に対する抵抗性が低く、進行が早い特徴があります😰

『乳歯う蝕の好発部位』
・乳歯列期のう蝕には年齢に対応した好発部位があります。
①2歳頃までは上顎乳切歯唇側面
②2〜3歳頃までは上顎乳切歯隣接面
③3歳を過ぎると上下顎乳臼歯の咬合面
④3歳6ヵ月からは上下顎乳臼歯の隣接面

この順序でう蝕が発生するわけではありません。このような時期にこのような部位にう蝕が発生することを示してきます。なので、年齢に応じた口腔衛生指導を行う必要があります。

『乳歯う蝕の為害性』
1.痛みを引き起こす→痛みは不快感だけではありません。集中力の欠如も引き起こします。さらに咬合痛(噛んだ時の痛み)は、小児に好き嫌いを引き起こすことがあります。

2.永久歯う蝕の原因となる→う窩(う蝕によってできた穴)の存在はう蝕原性細菌の供給源となり、そのまま放置すればほかの乳歯だけでなく、萌出してくる永久歯にう蝕を発生させます。

3.咀嚼機能の低下→う蝕によって歯の欠損が起こると咀嚼機能が低下します。また、う蝕による痛みは摂食意欲を減退させ、栄養状態に悪影響を及ぼします。

4.歯列不正や咬合異常の原因→う蝕による歯冠崩壊は咬合高径の低下、正中の偏位などの咬合異常をもたらします。また、乳臼歯の早期喪失は第一大臼歯の近心移動を誘発し、歯列不正の原因となります。

5.永久歯への障害→乳歯う蝕が進行して根尖に病巣をつくると、根尖近くにある永久歯胚の形成障害(ターナー歯)を引き起こすことがあります。

6.発音障害や悪習癖の誘発→う蝕により切歯の崩壊や欠損がもたらされると発音障害を招くことがあります。また、抜歯による欠損は場合によっては口唇や舌の悪習癖の原因になることがあります。

7.全身疾患の原因となる→先天性心疾患なある小児では、感染性心内膜炎のリスク要因となります。

8.心理的影響→前歯の欠損などが引き起こす審美障害は、小児の心理に影響を与えます。

小児のう蝕は成人の方よりもとても早く進みます。また、隣接面や根尖病巣は口腔内をみただけでは分かりません。定期的に歯科医院に通い、レントゲンでの確認を行い、う蝕を進行させないようにしていきましょう!

医療法人社団栄怜会ニコデンタルクリニック
東京都葛飾区立石2-26-17
03-3693-2880
www.nico-dent.jp

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