ガン治療と口腔ケア
2021.07.05スタッフブログ
こんにちは!
葛飾区立石の歯科医院、医療法人社団栄怜会ニコデンタルクリニックスタッフの大塚です。
今回はガン治療と口腔ケアの関係についてお話します!
がん治療には口腔内の治療とケアが重要になることをご存知でしょうか?
がん治療を受ける患者様で、むし歯、歯周病、不適合な被せ物や義歯の使用があると治療中に歯の痛み、歯肉の腫脹や出血、口腔粘膜の炎症などの口腔内の有害事象が発生します😮
口腔粘膜の炎症などの口腔内の有害事象は食事困難による栄養不良、体重減少、易感染、精神の悪化などを招き、合併症の発生やまれに治療の中断に至ることもあります🤔
がん治療には大きく分けて3つの治療法があり、それぞれに口腔内に起こりうる変化があります。
○外科療法
がんの手術は気管挿管管理で行うのがほどんどです。挿管や抜管の操作により動揺が大きい歯は抜けやすく、誤飲や誤嚥のリスクになります。また、挿管管理の長期化や口腔環境の不良により人工呼吸器関連肺炎(VAP)を発症することもあります。
○がん化学療法
細胞の分裂周期の早い口腔粘膜は傷害を受け、炎症が起きやすくなります。
薬剤の種類によっても発生頻度は様々ですが、治療を行った40%以上の患者様に発症するといわれています。
また、ヘルペス、口腔カンジダ症、口腔乾燥症、味覚障害などのリスクもあります。
○放射線療法
頭頸部がん治療の際に、口腔粘膜の炎症が発症します。口腔粘膜炎は治療開始から数ヶ月以内に発症する急性期障害とされています。
また、唾液を分泌する耳下腺や顎下腺の障害で口腔乾燥に伴う自浄作用の低下により、むし歯のリスクになります。
顎骨に照射された場合、顎骨への血流不良によって放射線性骨髄炎を発症することがあります。放射線性骨髄炎や口腔乾燥は治療終了後数ヶ月以降に発症する晩期障害とされています。
このようにがん治療には口腔内に様々なリスクがあります。
重要なのは、がん治療に伴う口腔内のトラブルの予防と軽減を図り、安全で質の高いがん治療を円滑に進めていく為に治療開始前からリスク因子を適切に除去していくことです🙂
○口腔内の環境を整える
がん治療は身体への負担が大きく、免疫力低下により口腔内に様々な症状が現れることがあります。むし歯や歯周病は急性化しやすいものから優先的に治療し、動揺が大きい歯は固定や抜歯を行います。
また、抗がん剤などによる口腔粘膜の炎症は歯や義歯による口腔粘膜への物理的損傷から二次感染し悪化することがあるので確認と治療を行います。
○口腔ケア
治療前から口腔衛生管理を徹底し、口腔内の細菌を減らすことで術後の感染症などの合併症を予防することが重要です。
患者様によってがんの治療法、口腔内のリスクは異なります。がん治療を受ける前に歯科医院で口腔内の検査と治療、ケアを行うことをおすすめします💪
医療法人社団栄怜会ニコデンタルクリニック
東京都葛飾区立石2-26-17
03-3693-2880
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