歯周病と糖尿病
2021.07.11スタッフブログ
こんにちは!
葛飾区立石の歯科医院、医療法人社団栄怜会ニコデンタルクリニックスタッフの鎌田です(^ ^)
連日の雨降りに、そろそろお日様の日差しが恋しいなぁと思う今日この頃です。
さて、本日のブログでは『歯周病と糖尿病』をテーマにお話していきまます!
戦後から今日まで、日本社会は大きな変化を遂げてきました。車などの交通手段の発達による運動不足、食生活の欧米化、24時間社会による不規則な生活など..日本人の身体を蝕み、肥満や糖尿病といった様々な弊害を生み出しています。
戦後間もない頃では、糖尿病は肺がんよりも珍しい病気とされていました。しかし、この半世紀でその患者数は40倍以上に激増していると言われています。
また、糖尿病は高齢化とともに合併率が高まり、70歳以上で糖尿病が強く疑われる者の割合は男性で27.3%、女性で17.2%に及び、予備軍まで含めると70歳以上の半数近くが糖代謝異常の状態にあると考えられます。
このように糖尿病が国民病と化し、高齢化とともに罹患率も高まってきている現在、医科の糖尿病と歯科の歯周病の関係性に注目されるようになりました。
適切な歯周病治療による炎症の制御により、血糖値の改善にも効果があるというのです。
全身の代謝疾患である『糖尿病』。
歯周組織に限局する『歯周病』。
この2つは"炎症"を通じて強く関連しあっていると言われます。
糖尿病患者は、炎症細胞から分泌される【炎症性サイトカイン】によりインスリンの効きを悪くさせ、血糖値を上昇させます。
一方、歯周病は歯周組織において細菌感染がおこり、免疫細胞から【炎症性サイトカイン】が分泌されます。
歯や歯肉は豊富な血管網で裏打ちされているため、歯周病によりひとたび出血が起これば、細菌や細菌が発する毒素、炎症性サイトカインなどが血流に乗って全身に広がっていきます。
この慢性的な微小炎症は、炎症性サイトカインを通じてインスリンの効きを悪くさせ、結果として血糖値を上昇させてしまうのです。
実際に糖尿病と診断を受けインスリン投与をおこなっていた患者が、重度の歯周病が認められ歯周基本治療をおこなったところ、血糖値が急速に改善してインスリン投与量も減少した..という症例があります。
これは、歯科で歯周基本治療をおこなうことにより、慢性的な微小炎症が消退することで、インスリン抵抗性が減弱し高血糖が改善したものと思われます。
歯周病はプラーク(歯垢)を原因として、歯茎に炎症を引き起こします。
歯周病の治療は、このプラークを機械的に除去して、炎症を引き起こしにくいお口の中をつくっていくことが大切です。
私たちは、『お口の健康を守ることが、全身の健康を維持していく効果的な方法』だと考えていますので、皆さんもご自身の全身状態とお口の状態を見つめる機会を ぜひつくってみて下さい^o^
医療法人社団栄怜会ニコデンタルクリニック
東京都葛飾区立石2-26-17
03-3693-2880
www.nico-dent.jp
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