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歯周病治療

歯周病は、多くの方が一度は聞いたことがある病気だと思います。
しかし、詳細や具体的な症状、治療法に関しての情報はかなり曖昧なものになっているように感じます。
また、なかなか治せないようなイメージがあるのではないでしょうか?

平成28年度の歯科疾患実態調査では30代以上の3人に2人が歯周病にかかっているというデータがあります。
歯周病は知らず知らずに症状が進行します。
そのため、初期の段階では自覚症状があまりなく、自分でチェックするのも難しいため、自分が歯周病であると気づかない人も多くいます。
知らず知らずのうちに罹患して、進行していくところが、歯周病のこわいところなのです。症状に気づいた時には重度な状態(歯ぐきが大きく腫れあがる、歯がグラグラになっている)になっていて、歯の保存が難しいケースもあります。

また、今まで歯周病と診断され、治療法や治癒について説明を受けたが改善がみられなかった方もいると思います。
どういうことが歯周病の発症につながるのか、歯周病の治療法になるのか、歯周病の治癒につながるのかということを当院ではデータを取りながら具体的にお伝えしています。
ぜひ、歯周病でお困りの方は当院までご連絡下さい。

※当院院長は日本歯周病学会の会員です。

ニコデンタルクリニックにおける歯周病治療の体制

体制1 検査・診断・治療計画立案を行います

歯周ポケット測定

「ちょっとチクッとしますね」と言われて、何やら歯科器具で歯茎を「ツンツン」されたことはありませんか?
これは歯周ポケットを測定(ブローピング)し、歯周病の進行度合いをチェックするための検査です。
歯周病治療では、まずこの検査をしなければどのような進行具合なのか、治療をすべきかという治療計画を立てることができません。

私たちは診療中によく以下のような経験をします。

歯科医師「このようなツンツンするような検査をしたことがありますか?」
患者様「ありません」もしくは「1度だけ経験したことがあります」

というご返事をいただきます。
歯周病の検査は一度だけでは、ほとんど意味をなしません。
初診時、治療後の再評価、つまり治癒しているのかという確認をしていかないと本当の治癒にはつながらないのです。

つまり、この検査は歯周病治療では避けて通れない検査であり、かつ、1度だけでなく定期的に行わなければならない検査です。
この検査をしないという事は、現在どこまで歯周病が進行しているのか、そして、どのような治療をすればいいのかを考えずに治療を進めていることと同じです。

口腔衛生指導

歯周検査をもとに出た結果に対して、適切なブラッシングまた清掃補助用具であるデンタルフロスや歯間ブラシの使い方を担当歯科衛生士がお話ししていきます。

なぜ歯ブラシが重要なのか?皆さんは聞いたことがありますか?

歯周病はプラーク(歯垢)によって起こります。
プラークとは、歯に付着している白、または黄白色の粘着性の沈着物で、非常に多くの細菌とその産生物から構成されています。
また、プラークはバイオフィルムとも呼ばれていて強固に歯に付着してるだけでなく、薬品だけでは除去することはできません。
そのため、毎日の歯ブラシや清掃補助用具を使用し、このプラークを除去する必要があります。
この清掃方法が歯周病の治癒に大きく関係してくるのです。

そのため、当院では初期治療の一環として歯科衛生士が患者様にその重要性や清掃方法をお伝えしていきます。

スケーリング、デブライトメント

歯についている歯石をとることをスケーリングといいます。
そして、デブライドメントとは、専用の機器を用いて歯根面から歯周病の原因となるプラーク(バイオフィルム)を除去する治療です。
一般的にクリーニングと呼ばれているのはこの2つの内容です。
そして歯石は、下あごの前歯の裏と上奥歯の頬側につきやすいといわれています。
プラークは歯と歯の間や歯の裏側、奥歯につきやすいといわれています。

プラークが石灰化(唾液に含まれるカルシウムとリン酸によって石のように硬くなること)した歯石、長い期間その場にとどまり続けネバ付きの強くなったプラークは、歯に強固に付着し、ブラッシングではなかなかとることができません。
そうした歯石やプラークを、歯科医師・歯科衛生士などの専門家が除去することがスケーリング、デブライトメントです。
これには、スケーラーとよばれる器具で手で取り除く方法と、超音波を発生させる機械(超音波スケーラー)などで除去する方法、エアフローという炭酸水素ナトリウムやグリシンなどの粒子状の研磨材を歯や歯肉に流水噴射し、通常の歯磨きでは除去できないバイオフィルムや色素沈着を除去する方法、を用います。

当院では特に歯に対して優しいエアフロープロフィキシスマスター、エアフローマスターピエゾンという高性能な超音波そしてエアフローが行える器具を使っています。
この器具の特徴は痛みがほとんどなく、しかしバイオフィルムや歯石を確実に正確に除去できるということです。

※治療後の再発を抑えるために、当院では、治療スタッフ全員が拡大鏡を積極的に使用してできるだけ精密な治療を提供できるように取り組んでいます。

歯周ポケット再検査

患者様への口腔衛生指導とスケーリング・デブライトメントを終えた後、初期の状態と比較して歯ぐきの治癒の具合と口腔衛生状態の改善を確認するために再度、歯周ポケット検査を行います。
この再検査によって歯周病の治癒を患者様に確認していただくことで実感していただくことができます。
初期の歯周病の状態であればこの検査で良好な結果がみられることが多いです。

SRP、デブライトメント

再歯周検査の結果、必要な部位があればより深い部位の歯石除去とデブライトメントを行います。
この処置を行うことでより歯ぐきの状態の改善を図ることができます。

メインテナンス

歯ぐきの状態が良好になった患者様はメインテナンス(定期検診)という形で定期的にお口の状態を担当の歯科衛生士がチェックさせていただきます。

体制2 担当歯科衛生士がメインテナンスを行います

皆さま、「歯科衛生士」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?
歯科衛生士とは、お口の健康を守る仕事を専門とする国家資格を持った職業です。

当院では「歯科衛生士担当制」を採用しており、一人の患者様を一人の歯科衛生士が担当しています。
このシステムを導入したことで、患者様のすべてのデータを生涯にわたり保存管理でき、蓄積したデータや患者様との長いお付き合いの中で得た情報や変化をもとに、その患者様に適した質の高いご提案・治療をすることが可能となります。

また定期的に来院していただくことによりお互いの気心が知れ、リラックスした状態で診療ができますので、コミュニケーションを楽しみながらお口の健康維持に繋げられればと考えております。

当院の歯科衛生士は定期的にスキルアップのための勉強会にも参加しています。
今後も、これまで培ってきた技術・知識・経験を多くの方にお伝えし、そして各歯科衛生士のスキルアップに努めていきます。

医療とは、しっかりと「検査」「診断」を行い、そのことに基づき「治療計画」を策定し治療を進めていかなければなりません。
そして基本治療が終了したら、再度、検査を行い検証をし、まだ問題が残っている場合は、次のステップの治療に移行し、問題が改善した場合は、良くなった状態を維持するためのメンテナンスに移行という流れが大切になります。

「歯周病は生活習慣病」とも言われます。
つまり、治療をすることで良くなったとしても、これまでと同じ生活習慣であれば、遅かれ早かれ再発します。
治療後の状態をできる限り保っていくことがとても大切なのです。

私たちは、関わった患者様には、長期にわたって健康なお口で生活して頂きたいと思っています。
そして、歯周病の再発を防ぐための方法は確立されているのに、関わった患者様が中長期的に再発してしまう姿も見たくはありません。
そのためにしっかりとエビデンスに基づいた医療を提供しています。

歯が失われてしまう原因ナンバー1は歯周病です

歯が失われる原因ナンバー1を「むし歯」だと思われている方が多いようですが、むし歯ではありません。
ナンバー1は、実は「歯周病」です。
事実、30代以上の約8割以上が歯周病にかかっており、日本人が歯を失う原因としては、 むし歯よりも歯周病の方が多いのです。

むし歯と異なり歯周病には痛みがないため、気がついた時には手遅れとなっているケースが多々あります。
さらに、歯周病が進行することで、自分では気づかないうちに強烈な口臭をだしてしまうこともあります。

本当は怖い歯周病の話

歯周病は、最終的には歯を失ってしまう病気ですが、その原因は口の中の細菌の塊でネバネバした歯に粘着性の物質(これをプラーク又はバイオフィルムと呼んでいます)です。
しかし歯周病の発症のリスクは、単純に細菌の量だけで決まるわけではありません。
多くの複合的要因によって歯周病のかかりやすさや進行度合いは変わってきます。
その理由の1つには生活習慣がかかわっています。

高脂質・高たんぱくな食習慣による栄養のバランスの崩れ、肥満や喫煙、睡眠不足による体力の低下や精神的ストレスなどは、歯周病を重症化させる要因になります。
さらに歯周病を起こす細菌は血液によって歯茎から体中に運ばれ、全身疾患の引き金になるのです。
歯周病は単なる口の中だけの問題と侮ってはいけない怖い病気なのです。

以下歯周病といくつかの全身疾患とのかかわりについてお話しします。

まず歯周病は国民病ともいえる糖尿病を悪化させます。
糖尿病が悪化すると、血糖値が高くなって歯肉の毛細血管の血流が悪化し、歯肉の炎症を増悪化させて歯周病を進行させるのです。
するとさらに糖尿病が悪化するという、足の引っ張り合いをするわけです。
糖尿病があれば、歯周病を治しておくことが糖尿病の治療効果を高めることにつながります。

また歯周病があると、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めることになります。
特に進行した歯周病を放置している男性は健康な歯茎の人に比べて70%も高い割合で心筋梗塞を発現することも報告されています。
全身的な健康診断も大切ですが、もっと身近で簡単な歯周病の健康診断があなたの心筋梗塞や脳梗塞を予防してくれる近道かもしれません。

次に妊娠の可能性のある女性が歯周病を放置していると、生まれてくる赤ちゃんが低体重児になる確率が高いことがアメリカの研究で報告されています。
低体重児は早産が原因で生まれてきた場合、障害を抱える可能性が高くなることもよく知られているところです。
妊娠してからはもちろんですが、それ以前から定期健診を受けて、歯茎を常に健康な状態にしておくことは母になる女性の義務と言っても過言ではないと思います。

さらに口の中の細菌が誤嚥性肺炎の原因になっていると言うことについてお話します。
高齢者になると肺炎の割合が高くなりますがその90%を占めるのは誤嚥性肺炎です。
肺炎球菌は喉の奥に棲みついており、せき反射や嚥下反射が低下した高齢者では肺炎を発症しやすくなります。
この細菌は口の中のプラークを栄養源にしていますので、口の中をきれいにし続けることつまり歯周病がないようにしておくことがその予防になる訳です。

まだこれらのほかにも口と全身がかかわっている事例が多くありますが常日頃から定期的に歯科健診を受けて良好な口の中の状態を保っておくこと、歯周病があれば徹底して治療しておくことが大事なのです。

さらにもう一言、近年歯周病は多くは中高年層ですが、乳歯を含んだ若年層で急性に発症する人がいることもわかっています。
なので、歯科検診で発見された場合は早期に手を打っておかなければなりません。
また、歯周病は全身の様々な病気との関連性が多く報告されており、歯周病によって失うのは歯だけではなく、最悪の場合、命を落としかねない非常に恐ろしい病気です。

このように、歯周病は歯を失う病気というだけではなく、全身疾患にも関連する命を落としかねない恐ろしい病気であるという認識が大切です。

参考図書
「スウェーデンスタイルがあなたの歯を守る」
岡本 浩、竹内泰子

ご自身の歯周病の状態をチェック

あなたの歯周病はどこまで進行していますか?
歯周病は自覚症状が伴わないため、知らず知らずのうちに症状が悪化していきます。
どこまで歯周病が進行しているかを事前に把握することで、最悪の事態を避けることができます。

下の写真をご覧下さい。

いかがでしょうか?

①だからといって決して安心はできません。
いくら丁寧に毎日歯磨きをしていても歯科医院へ定期的に通っていなければ、④まで歯周病が進行してしまいます。
そうならないためにも、早期治療は欠かせません。

ぜひ、一度ご自身の歯を守るためにも歯科医院にお問い合わせください。

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