歯の豆知識②「歯周組織の構造」
2020.09.19スタッフブログ
こんにちは。
葛飾区立石の歯科医院、医療法人社団栄怜会ニコデンタルクリニックの渡辺です。今回のブログは歯の豆知識②「歯周組織の構造」についてお話しさせていただきたいと思います。
歯周組織(ししゅうそしき)とは歯の周りで、歯を支える役割のある組織のことをいいます。歯周組織は文字通り、歯の周囲にあり、歯肉(しにく)・歯根膜(しこんまく)・セメント質・歯槽骨(しそうこつ)の4つからなります。それぞれの組織の特徴を以下に示していきます。
・歯肉
一般的に「歯ぐき」と呼ばれる部分のことで、歯槽骨を被っている柔らかい組織です。歯肉炎や歯周病などの症状が顕著に出る部位でもあります。
・歯根膜
歯根部分のセメント質と歯槽骨の間をシャーピー繊維と呼ばれる強靭な線維で結んでいる組織です。食べ物を咬む際に、歯にかかる力を吸収し、緩和してくれます。この働きがあることで歯に加わる力が直接、歯槽骨に加わらないようにクッションのような役割をしてくれます。
・セメント質
歯根表面部分を被っていて、歯根膜によって歯槽骨と結合している組織です。硬度はモース硬度4~5程度で人体の骨と同じくらいの硬さです。
・歯槽骨
歯を支えている顎の骨のことです。、歯はこの骨の中に歯根膜を介して植立しています。歯周病が進行していくとこの骨が吸収していき、歯がぐらぐらするという症状が起こってきます。
歯周組織は歯頚部(しけいぶ、歯の周りのくびれのような部分のこと)を取り囲み、咬む力に対応して、歯の破折などを防いでくれます。また、口腔内の異物や食べかすが歯の溝に進入するのを防いでくれます。歯肉は歯頚部周辺と歯槽骨周辺に存在し、歯槽骨を被う部位では厚く角化(上皮が幾層にも重なり、丈夫な層を形成すること)しています。また、歯肉と歯の境目にある小さな隙間のことを歯肉溝(しにくこう)といいます。この部位は歯周ポケットと呼ばれることもあります。健康な人で約2mm程度の深さがあります。この部位にプラーク(バイオフィルムとも呼ばれる、日本語で言う「歯垢」のこと)が溜まることで、細菌が繁殖し、炎症を起こしてしまいやすい部位でもあります。炎症が起こってくるとまずは、歯周ポケット内から炎症の兆候である「出血反応」がみられるようになります。そして炎症が進行してくると、歯周ポケットの深さが4mm以上となってきて、より歯周ポケット内にプラークが溜まりやすくなります。プラークが溜まることで、歯周病が悪化してしまいやすくなります。
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