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歯の豆知識⑦「顎関節症の治療は何から始める?」

こんにちは。
葛飾区立石の歯科医院、医療法人社団栄怜会ニコデンタルクリニックの渡辺です。今回のブログは歯の豆知識⑥「顎関節症の治療は何から始める?」についてお話しさせていただきたいと思います。

顎関節症によるアゴの痛みには、アゴの関節の痛みとアゴの筋肉の痛みの2種類に分かれます。前者は顎関節痛障害、後者は咀嚼筋痛障害です。つまり、痛みの原因は
①顎関節痛
②咀嚼筋痛
③顎関節痛と咀嚼筋痛(混合型)
に分かれます。まず行うこととしては、患者さんのお話を聞かせてもらい、どの原因が痛みを引き起こしているのかということを検査します。

検査内容は以下のようなことを行います。
1)問診
・痛みの発症部位はどこですか
・痛みはいつからありますか
・どのような時に痛みますか
・どんな種類の痛みますか
・痛みの強さはどのくらいですか
・痛みは強くなっていますか
このような質問から痛みの種類を探っていきます。 
2)顎関節の痛みの発症の検査
・関節圧痛の検査
・自力運動時痛の検査
術者が下顎頭と関節周囲を押し痛みを確認したり、患者さん自身にアゴを動かしてもらい痛みが出るかどうか調べます。
3)筋肉に痛みがないかどうかの検査
・咬筋圧痛の検査
・側頭筋圧痛の検査
咀嚼筋痛の検査として筋圧痛検査を行います。
4)検査結果の判定
得られた検査結果を参照に判定していきます。
5)画像検査
必要に応じて、顎関節症のスクリーニングとしてレントゲン撮影やCT撮影を行います。

以上で得られた検査結果からアゴの痛みについて説明を行なっていきます。説明は以下のような手順で行います。

1)顎関節痛の原因と病態の説明
顎関節痛は、顎関節周囲の滑膜や靭帯に機械的に過剰な力がかかり、炎症が生じて、その炎症部を下顎頭が動いて圧迫、刺激することで生じます。そのことを患者さんに理解いただけるよう図を用いて説明していきます。

2)咀嚼筋痛の原因と病態の説明
咀嚼筋痛の発症のメカニズムには不明な点が多いですが、痛みは筋・筋膜痛によるものと考えられています。そのため、何が筋の活動を過剰にさせているかという原因を探ります。例えば主な原因として日中や就寝時の「歯の噛みしめ」、「くいしばり」が考えられます。さらに偏咀嚼癖があると偏咀嚼側の筋活動が過剰となり痛みが生じるということもあります。

3)顎関節痛と咀嚼筋痛が重複している場合
問診や検査により両方を併せ持っている場合にはその説明をさせてもらいます。顎関節症では顎関節痛と咀嚼筋痛が重複していることが多いため、その旨を理解してもらうようにします。

以上のように顎関節症の治療は検査、診断、病態の原因と説明から行っていきます。

医療法人社団栄怜会ニコデンタルクリニック
東京都葛飾区立石2-26-17
03-3693-2880
www.nico-dent.jp

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