歯の豆知識⑪「顎関節症の症状、口が開かない場合はどう診断するの?」
2020.11.25スタッフブログ
こんにちは。
葛飾区立石の歯科医院、医療法人社団栄怜会ニコデンタルクリニックの渡辺です。今回のブログは歯の豆知識⑪「顎関節症の症状、口が開かない場合はどう診断するの?」についてお話しさせていただきたいと思います。「口が開かない」という症状には様々な原因が考えられます。症状と照らし合わせて原因を診断していきます。
1)口が痛くて開けられない場合
口を開けようとすると痛みが強く、手指での強制開口によって徐々に口が開いていく場合は、咀嚼筋に生じている痛みが原因か顎関節に生じている痛みが原因となります。痛みは過剰な動きを抑制するための防護反応ですので、痛みが出始めの時は特に口が開けづらくなります。多くの場合、時間の経過とともに痛みが軽減し、徐々に口が開けられるようになります。
2)口がときどき開かなくなる場合
普段は支障はなく、何かのきっかけで口が開かなくなる場合のことを「間欠ロック」といいます。これは顎関節の関節円板障害によるもので、多くの場合顎関節音「クリック音」を伴います。間欠ロックは起床時や食事中に生じることが多く、睡眠中の歯ぎしりやくいしばり、咀嚼中の咀嚼筋への負荷の増大によって起こります。このような症状はアゴを使っていない非機能時の覚醒時ブラキシズムによっても生じます。「何もしていないのに口が開かなくなる」ことが生じるのです。
3)がんばっても開けられない場合
がんばっても開けられない場合は、アゴの動きが物理的に妨げられていることが考えられます。関節円板によって下顎の動きにロックがかかっている状態、このことを「クローズドロック」といいます。クローズドロックは開口制限だけではなく、側方運動(アゴを横に動かす運動、物をすりつぶす時に動かす運動)時に動きが制限され、前方運動(アゴを前に動かす運動)時に転移側に強い痛みを伴います。
4)口を開けようとしていない場合
痛みが強い場合や初めて痛みが出た時などは、痛みに対する怖さや恐れから口を開けることを躊躇してしまう場合があります。急性期では無理に大きく開ける必要はありませんが、日数が経過し慢性期になった場合でも開けようとしないでいると関節の稼働範囲がさらに制限されたり、痛みに対する閾値が低くなり、少しのことでも痛みを感じるようになってしまいます。また、関節雑音(クリック音)がある場合など音が鳴ることを嫌がって開けることを制限してしまう場合もあります。音が鳴ることでアゴが外れてしまうのではないかと勘違いしてしまうケースもあります。
「口が開かない」という症状一つにおいても、様々な原因があり、対処法も異なってきます。次回は「口が開かない」場合の対処方法や治療方法をお話ししていきます。
医療法人社団栄怜会ニコデンタルクリニック
東京都葛飾区立石2-26-17
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