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歯の豆知識⑩「顎関節症の症状、口が開かない?」

こんにちは。
葛飾区立石の歯科医院、医療法人社団栄怜会ニコデンタルクリニックの渡辺です。今回のブログは歯の豆知識⑩「顎関節症の症状、口が開かない?」についてお話しさせていただきたいと思います。

顎関節症の症状のひとつに開口障害、「口が開かない」というものがあります。この「口が開かない」という症状に対しては以下のように診察をしていきます。

1)問診を行います
 「口が開かないのはいつですか?」
開口障害がいつ始まり、それがどの程度の頻度で起こるのか、どの程度継続し、現在の状況はどうなのかということを聞かせてもらいます。
 「どうして口が開けられないのですか?」
口が大きく開かない状態が続いている場合、以下の理由が考えられます。
①痛みが強すぎる、もしくは顎関節部が物理的に引っかかっていて、開けたい気持ちはあるのに「開けられない」
②痛みが生じることに対する怖さや不安、間接部で音が鳴ることへの不快感や不安感、あるいは口を大きく開けることを避けていて「開けられない」②の場合は理由も聞かせてもらいます。
 「どの程度、口が開かないでしょうか?開かないことによる困っていることは何ですか?」
口が開かないと一言でいっても、その感じ方は人それぞれ異なります。「あくびができない」ことを口が開かないと表現する人、「お寿司がそのまま食べられない」ことを開かないと表現する人、「スプーンが口に入らない」ことを開かないという人、状態は様々です。口が大きく開けられないと日常生活において様々な困りごともでてきます。その影響で不安になったり気分が落ち込んだり、心理社会的にも問題が出ることがあります。そのことも理解させてもらうための質問でもあります。

2)検査を行います
 2-1)開口量検査
口が開かないと訴えがあった患者さんの実際の開口量を確認していきます。一般的には開けた状態での上下の前歯の先端の距離を測定します。この時に確認する開口量は
①患者さん自身で痛みがなく開けられる最大量(無痛最大開口量)
②痛みを我慢しながら患者さん自身が開けられる開口量(有痛最大開口量)
③術者による強制開口量(強制最大開口量)
の3種類です。強制開口は痛みを伴う場合があるので事前に説明をさせてもらいます。
 2-2)口の開き方
アゴの動きに制限が出ている場合に、口の開き方は開かない原因のある側に偏位します。また、下顎を左右に動かしてもらったり、前に出してもらったりしながら運動に制限がかかっているかどうかを確認します。
 2-3)下顎頭の動きの確認
指で側頭部の顎関節にあたる部位を触診しながら下顎頭の動きを確認します。一般的には開けた時の上下の前歯の先端の距離が40mm以上あれば開口障害はないと判断されます。ただあくまでこの数字は目安ですので、個々の状態も踏まえながら判断をしていきます。
 2-4)画像検査をします
アゴの骨の状態を確認するためのレントゲン写真を撮ります。関節円板に原因があると判断される場合にはMRI検査を行うこともあります。

このように「口が開かない」という症状に対して診察を進めていきます。

医療法人社団栄怜会ニコデンタルクリニック
東京都葛飾区立石2-26-17
03-3693-2880
www.nico-dent.jp

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