歯の豆知識⑬「アゴから音がすることがある?」
2020.12.22スタッフブログ
こんにちは。
葛飾区立石の歯科医院、医療法人社団栄怜会ニコデンタルクリニックの渡辺です。今回のブログは歯の豆知識⑬「アゴから音がすることがある?」についてお話しさせていただき
たいと思います。
「アゴから音がすることがある」という症状は顎関節円板障害ⅲ型(復位性)か変形性顎関節症ⅳ型である可能性がほとんどです。アゴから音がする場合でも、運動障害やご本人が気にならなければ疾患とはなりません。この音に不快感を覚えたり、何らかの症状を発した場合を関節雑音と呼ぶのです。
音が鳴るのは顎関節部と耳の外耳孔という位置関係が近い場所です。アゴから音がするという症状は約15%の人に見られる症状のため、決して少ないことではありません。
問診では「どんな音がするか」ということを聞きます。多くの場合はクリック音もしくはクレピタス音のいずれかになります。クリック音がするという患者さんは、口を開ける時や動かすときに「ポキッ」「パキン」と音がするというふう言われます。クレピタス音がするという患者さんは口を開けた時や動かしたときに「ジャリジャリ」「ミシミシ」と音がするというふうに言われます。顎関節症の分類ではクリック音は顎関節円板障害ⅲ型(復位性)に、クレピタス音は変形性顎関節症ⅳ型に分かれます。
「アゴから音がする」という症状がある患者さんに次に行う検査は触診です。触診では患者さんの訴えがある部位を触知し確認します。
「お口を開け閉めしてみてください」
とお話しし、開閉口時におこる顎関節雑音を確認します。また、
「アゴを左右に動かしてください」
「アゴを前にだしてみてください」
とお話しし、側方運動時や前方運動時の関節雑音についても検査をしていきます。これらの運動は3回連続行っていただき、検査していきます。その上で以下のように臨床診断をしていきます。
①3回の連続した開閉口運動のうち、少なくとも1回触診によりクリック音があった場合
② 3回の連続した開閉口運動のうち、少なくとも1回触診によりクリック音があった場合、かつ3回の左右側方運動時、3回の前方運動時に少なくとも1回クリック音があった場合
③最前方時(アゴを一番前に出した状態)から
開口時または閉口時にクリック音が消失した場合
①〜③のいずれかの症状があれば顎関節円板障害ⅲ型(復位性)が疑われます。
⑴ 3回の連続した開閉口運動のうち、少なくとも1回触診によりクレピタス音があった場合
⑵ 3回の連続した開閉口運動のうち、少なくとも1回触診によりクレピタス音があった場合、かつ3回の左右側方運動時、3回の前方運動時に少なくとも1回クレピタス音があった場合
⑴または⑵の症状があれば変形性顎関節症ⅳ型が疑われます。
このように「アゴから音がする?」という症状に対して診察診断を行っていきます。
医療法人社団栄怜会ニコデンタルクリニック
東京都葛飾区立石2-26-17
03-3693-2880
www.nico-dent.jp
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