えん下(飲み込むこと)
2021.05.15スタッフブログ
こんにちは!
葛飾区立石の歯科医院、医療法人社団栄怜会ニコデンタルクリニックスタッフの山口です🍀
今回は「えん下」についてお話しせていきます。食べ物や飲み物を「飲み込む」ことを言います。
えん下は、食べ物を食べて栄養を取るだけでなく、えん下時の口の動かし方による歯並びへの影響や呼吸、睡眠へも影響を与えていると考えられています。そのため、えん下の発達を促していくことが重要になってきます。
実は、赤ちゃんのえん下と大人が行っているえん下だと、のど元の構造や舌の動かし方が違います。それぞれ「乳児えん下」「成人えん下」と呼びます。
《乳児えん下(おっぱいを吸う時)の特徴》
・舌を前につき出すように前後に動かす。
・上唇と下唇がくっついていない(口が開いている)。
・おっぱいをくわえているため、口まわりの筋肉が強く収縮している。
・無意識に反射的に行われている。
《成人えん下の特徴》
・舌は上顎に押し付けられていて、舌の先の位置が上の歯の付け根の歯茎にある。
・口唇は閉じている。歯も上下が噛み合っている状態である。
・口まわりの筋肉は強く収縮しない。
・意識的に行っている。
この2つのえん下を比べると、舌の動かし方や口まわりの筋肉など口の使い方が違います。もし、乳児えん下が残ったままだと、毎日行うえん下時の口の力(機能)によって歯並び(形態)に影響がでて、その歯並びに合わせてまた口の動かし方(機能)が変化していきます。それによって、口呼吸になったり、睡眠障害になったりと全身への影響もでてきます。お口の機能面と形態面はお互いに影響し合ってい、口にとどまらず全身の発達にも関わってくるのです。
乳児えん下から成人えん下にいつ変わっているかというと、離乳食のタイミングです。離乳食を始めたらすぐに成人えん下になる訳ではなく、「離乳食が成人えん下を身につけるトレーニング」です。そして離乳食が始まる前からの準備が重要になってきます。それは、哺乳と指しゃぶりです。
哺乳は栄養を取ることやコミュニケーションとしてもそうですが、吸う力や口まわりの筋肉、舌の発達を促すことにも繋がります。お口の機能面では母乳が推奨されていますが、哺乳瓶でも今はお口の機能を考えて作られた物もあるので確認してみてください。
あまり良くない印象がある指しゃぶりですが、離乳食が始まる前までは積極的にさせてあげてください。赤ちゃんの口の中は過敏状態です。その状態だと離乳食を出してしまったり、まるのみになってしまう可能性があります。指しゃぶりや物を口に入れることでその過敏をとり、離乳への準備をしているのです。
「えん下」は生涯健康な生活を送るうえでとても重要です。その機能を獲得する時期にいかに発達を促せるかが大切になってきます。
来月もえん下に関してお話ししていきたいと思います。
医療法人社団栄怜会ニコデンタルクリニック
東京都葛飾区立石2-26-17
03-3693-2880
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