歯の豆知識⑧「顎関節症の治療方法とは?」
2020.10.26スタッフブログ
こんにちは。
葛飾区立石の歯科医院、医療法人社団栄怜会ニコデンタルクリニックの渡辺です。今回のブログは歯の豆知識⑧「顎関節症の治療方法とは?」についてお話しさせていただきたいと思います。
先日、歯の豆知識⑦「顎関節症の治療は何から始める?」の中で顎関節症の治療は検査、診断、病態の原因と説明から始めていきますというお話をさせてもらいました。では、具体的にはどのような治療をしていくのでしょうか?
アゴの痛みの治療は、そのほとんどが患者さん自身に実施してもらうセルフケアになります。そのため、その必要性や有効性を十分に理解していただき、正しく行なってもらうことが大切です。
〜顎関節痛の治療方法〜
1)顎関節に負荷をかけないようにする
顎関節痛は関節周囲の滑膜や靭帯に負荷がかかり、炎症が生じたことが原因となります。そのため、治療には顎関節に負担をかけないことが重要になります。歯ぎしりや歯の噛みしめ、食いしばりなどは炎症を増悪させる可能性があります。しかし、アゴをまったく動かさないことは咀嚼筋痛の原因となり、症状が悪化することもあります。
2)痛みが出ない程度の開閉口を行う
そこで、患者さんには痛みが出ない範囲内でこまめに開閉口を繰り返してもらいます。顎関節痛は、痛みが生じてからいちばん痛い時期が2週間程度続きます。ですが、比較的改善しやすく、小さい開閉口によって徐々に軽快してきます。
3)痛みが強い場合には薬の使用も検討します
顎関節痛が生じた当初は炎症が強く、食事に支障が出る場合もあります。そのような場合には消炎鎮痛薬の処方をさせてもらいます。
4)スプリントの使用
問診や検査の結果から顎関節痛の原因が夜間の歯ぎしりにあると考えられる場合やセルフケアでは痛みが改善しない場合は対策としてスタビリゼーションスプリント(夜間に使うマウスピース)を装着してもらいます。
〜顎関節痛治療の流れ〜
①初診時にセルフケアの指導のみの場合
初診から1〜2週間後に再診をさせていただき、患者さんのセルフケアの実施状況と症状の変化を確認します。その後は症状の改善するまで1〜2週間ごとに確認をしていきます。
②初心時に消炎鎮痛薬を処方した場合
初心時に薬の処方をさせてもらい、1週間後に症状を確認します。強い痛みが続いている場合は再度、お薬を処方します。痛みが改善している場合にはセルフケアへと移行していきます。
③スプリント(マウスピース)を使用した場合
装着して1週間後に再診を行い、スプリントの使用状況や装着による為害作用がないかどうかを確認します。症状が改善したら4週後に再診を行い、経過をみていきます。
このように顎関節痛の治療はセルフケアを中心に進めていきます。次回は咀嚼筋痛の治療についてお話ししていきます。
医療法人社団栄怜会ニコデンタルクリニック
東京都葛飾区立石2-26-17
03-3693-2880
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