歯の豆知識⑫「顎関節症の症状、口が開かない場合はどのような治療をする?」
2020.12.07スタッフブログ
こんにちは。
葛飾区立石の歯科医院、医療法人社団栄怜会ニコデンタルクリニックの渡辺です。今回のブログは歯の豆知識⑫ 「顎関節症の症状、口が開かない場合はどのような治療をする?」についてお話しさせていただきたいと思います。
アゴに症状がある患者さんの多くは口を開けたり、動かしたりすることに不安を持っている場合が多いです。しかし、関節は動かさないことによってさらに動きが悪くなったり、少しの動きでも痛みが強く出てしまう場合があります。そのため、最初はアニメーションを用いて顎関節の仕組みを知ってもらったり、症状が起こっている機序を知ってもらいます。そして症状によって以下のように治療を進めていきます。
1)口を開けると痛い場合
痛みが生じてから時間がたっていない場合(約2週間)は食事の際に食物を細かくして食べてもらいます。また、あくびの際にはアゴの下に手を添えてもらい、大開口にならないようにし、アゴを安静に保つようにしてもらいます。
痛みが生じてからの時間が経過している場合(2週間以上)は、開口訓練を行なってもらうようにしてもらいます。
※開口訓練については以前のブログ、歯の豆知識⑨「咀嚼筋痛の治療方法とは?」に詳しく書いてありますので参考にしてください。
2)口が時々開かない場合
積極的な開口訓練を行なっていきます。また、症状が起床時に起こる場合は睡眠時ブラキシズム(歯ぎしりなど)が、日中に起こる場合は覚醒時ブラキシズムが疑われます。発生機序に合わせたアドバイスを行っていきます。
3)がんばっても口が開けられない場合
口が開かなくなって2週間以内であれば、急性期と考えられます。その場合はマニュピレーションという方法を用い、アゴのロックを解除するように試みます。痛みが強い場合は麻酔をする場合もあります。
開かなくなり2週間以上経過した場合は慢性期と考えられます。その場合は積極的な開口訓練を行なっていきます。訓練開始時には痛みや間接雑音が出ることがありますので、経過をみながら進めていきます。
4)こわくて口を開けられない場合
この場合には患者さんご本人に口が開くという運動をアニメーションを用い、よく説明させてもらいます。まずは安心していただくことが治療の目的となります。関節雑音が生じる機序やアゴの関節の動きをよく理解していただくことで、少しずつ口を開けるようになってもらえるようにします。
以上のように症状に応じてアプローチの方法は変わっていきます。どうしても症状の改善が見られない場合は専門医にご紹介させていただくケースもあります。
医療法人社団栄怜会ニコデンタルクリニック
東京都葛飾区立石2-26-17
03-3693-2880
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