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えん下(飲み込むこと)③

こんにちは!
医療法人社団栄怜会ニコデンタルクリニックスタッフの山口です🍀

 今月は、えん下のトレーニングという視点からみた離乳食についてお話せていきます!

 先月お話ししたように、離乳食は乳児えん下から成人えん下へと移行するためのトレーニングです。この時期は口腔機能の発達にとても重要な時期です。

 誤解を恐れずに言えば、機能発達だけを考えれば離乳食は必要ないです。同じ霊長類のサルには離乳食はありません。サルに離乳食はなく、基本母乳ですが、3ヶ月くらいから母親の食べこぼしを口に入れては吐き出すを繰り返すことで、固形物を食べる練習をしています。1歳を過ぎたあたりから固形物を食べる機能が備わると、母親の口や手から食べ物をとって食べるようになります。水分もむせたりもしながら試行錯誤を繰り返すことで発達していきます。これが本来の霊長類の赤ちゃんの食形態と言われています。
 英国にはBLWという離乳食法もあります。6ヶ月くらいから歯茎でつぶせる固さの物を手掴み食べで自由に食べさせるというものです。指先の触覚・嗅覚・視覚・味覚など補食するための機能の発達、見た目・触る・匂いをかぐ・味わう、そして食する、BLWは様々な感覚の発達を促します。
 しかし、小児の死亡原因のほとんどが窒息によるものです。事故を避けるために離乳食の食形態や与え方を考える必要はあります。また、窒息の内容として多いのが嘔吐によるものです。消化管の発達が十分でない乳児には消化のならしをしていくことも重要です。安全かつ確実な発達を目指していくために、初めは段階的に進めていくとしても、ただ食べられるものを漠然と与えるのではなく、口腔機能のトレーニングとして取り組む姿勢が重要になってきます。
 BLWで育った子は通常の離乳食で育った子と比較して窒息が少ないと言われています。食べるための感覚や判断能力が十分に発達しているからだと思われます。またこの方法はむせや咳き込むことは多いです。しかしこれは正常な生体の防御反応です。この機能を訓練しておくことも重要です。
 BLWをしなければいけないというわけではないですが、考え方として、離乳食は口腔機能のトレーニングであるという意味でとても重要だと思います。

 口腔機能のトレーニングという視点でみると、離乳食の意味合いがまた違って見えてくるかなと思います。来月は月齢ごとの目安をお話ししていきたいと思います!

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