小帯ってなんだろう?
2021.10.26スタッフブログ
こんにちは!
葛飾区立石の歯科医院、医療法人社団栄怜会ニコデンタルクリニックスタッフの国岡です(^^)
今回は1歳6ヶ月児健診や3歳児健診でも確認する『上唇小帯』と『舌小帯』についてお話ししていきます。
◯上唇小帯
上の前歯の間にあるスジのことです。
上唇小帯は出生時には大きく、付着部も歯槽頂部の近くになりますが、乳歯の萌出に伴い通常は退縮します。
ですが、乳歯列が完成する時期を過ぎても、上唇小帯の肥厚や付着異常により乳中切歯間に隙間が認められる場合は歯科医院での経過観察が必要になります。
上唇小帯の肥厚、付着異常がある場合、
・上顎前歯間に隙間がみられる(正中離開、すきっ歯)
・プラークが停滞しやすく、またブラッシングもしにくい為、歯肉炎やむし歯のリスクが上がる
・上唇小帯か歯冠側の歯肉付近に付着している場合は上唇の伸展や運動が阻害される為、口唇の閉鎖不全を引き起こすことがある→前回のブログでもお話しをしましたが、口唇の閉鎖不全(口が開いている)があることでむし歯や口臭、ウイルス感染のリスクが上がります。
このようなことから、乳歯列完成後、上の前歯に隙間がみられる場合は、定期的に上唇小帯の状態を確認し、6〜7歳の永久歯萌出後に改めて診断し、上唇小帯の切除の必要性を判断していく必要なあります。
◯舌小帯
舌の裏側にあるスジのことです。
舌小帯の短縮や付着異常があると、舌の動きが抑制され、哺乳、咀嚼、嚥下、発音時に舌の運動機能障害を引き起こします。
舌小帯の短縮や付着が顕著で新生児期に授乳困難な場合は出産後すぐに舌小帯切除術を行う場合もあります。
ですが、それ以外の場合歯や歯茎は見ていてもなかなか舌まで確認する機会が少ない為、歯科医院で舌小帯について指摘を受けるケースが多いかと思います。
舌小帯の短縮や付着異常がある場合は
・舌を左右に動かせない
・舌を前へ突き出すと舌がハート形になる
・サ、タ、ナ、ラ行が舌足らずな発音になる
この3つはご自宅でも簡単に出来るかと思いますので、舌小帯の状態を確認する時に用いてみてください。
では舌小帯の短縮や付着異常があるとどのようなことが考えられるのでしょうか?
・歯並び
→舌の挙上が難しい為、舌の前方突出や低位舌の原因となり下顎前歯部が前に押し出されます。
・食事
→舌を左右にうまく動かせないことで、食塊形成中に臼歯に食物を送ることができない為咀嚼運動が適切にできません。
・発音
→舌尖を用いて発音するサ、タ、ナ、ラ行などが舌足らずな発音になり構音が完成する5〜6歳ごろまでに発音がうまく獲得されないことがあります。
発音の障害は機能面だけではなく、友だちとの会話にも消極的になってしまい精神面にも影響することがあります。
このように歯科医院では歯や歯茎だけではなく、今回お話しした『小帯』などお口全体の状態を確認しています。
ぜひご自宅でもお口を全体的に見渡してみて今の状態を確認する機会を作ってみてはいかがでしょうか(^^)
医療法人社団栄怜会ニコデンタルクリニック
東京都葛飾区立石2-26-17
03-3693-2880
www.nico-dent.jp
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