舌小帯付着異常とは?
2021.12.25スタッフブログ
こんにちは!
葛飾区立石の歯科医院、医療法人社団栄怜会ニコデンタルクリニック スタッフの国岡です(^^)
朝晩の寒さが厳しい季節がやってきましたね❄️皆さんいかがお過ごしでしょうか?
今年最後のブログのテーマは『舌小帯付着異常』についてです。以前のブログで『小帯』について書かせていただきました。
今回は『舌小帯』についてより詳しくお話ししていこうと思います!
◯舌小帯付着異常とは?
「舌小帯短縮症」「舌小帯強直症」「舌小帯癒着症」など、さまざまな名称で呼ばれており、舌下にある小帯の付着部が舌尖部近くに位置し、口底部の付着が下顎舌側歯槽粘膜上部に位置している状態です。舌小帯付着異常の種類は、小帯が薄い粘膜様で舌運動障害が軽い「膜様束型」と、オトガイ舌筋下部と舌小帯が太く繊維化し、舌運動障害の著しい「繊維束型」に分類できます。臨床的には膜様束型が4/5を占めています。
◯舌小帯付着異常による影響
舌小帯付着異常がある場合、舌の運動範囲が制限されるため、哺乳・咀嚼・嚥下障害、口腔内の自浄作用の低下などの運動機能障害を引き起こすことがあります。
また、低位舌・舌前方位など舌位に影響を及ぼし、MFT指導を妨げ不正咬合を誘発する原因となります。
小学校高学年で舌小帯付着異常が認められた場合、舌をあまり動かさないことが習慣化されているため、無意識に硬い物や大きい食べ物を避げ、よく噛まずにのみ込む、口を大きく開けずに話をするなどの傾向があります。
◯舌小帯切除術を行う時期
乳児で授乳困難な場合には通常、出産後すぐに切除が行われますが、最適な時期は就学前の5〜6歳ごろといわれています。その理由は、正しい発音をするためにら舌の運動が重要であり、言語発達の面からサ行、ラ行がほぼ完成する5〜6歳までに舌小帯切除術を行い、舌の運動範囲を広げて口腔内環境を改善する必要があるからです。
低学年の子どもの場合、恐怖心などからなかなか手術の決心がつかないこともあります。
そのような場合には、子どもの協力の得られる年齢まで経過観察を行います。
舌小帯付着異常は、小学校の歯科健診においても見過ごされることがあり、高学年まで舌小帯付着異常に気がつかれないことも多いようです。高学年の子どもは、舌小帯付着異常による発音や食塊形成などへの影響を説明すると理解をしてもらえます。理解が得られれば問題なく切除術を行うことができます。
◯舌小帯切除術前後に指導するMFT
舌小帯付着異常の舌は、発音や嚥下時に舌尖の運動が制限され、習慣的に舌を挙上しない状態が続いています。そのため、舌小帯切除術で舌の運動範囲を大きくして機能的な改善を図りますが、舌の正常な動きを獲得するためには、術前後に舌挙上訓練が必要となります。
軽度の舌小帯付着異常の場合、舌挙上訓練により舌小帯が十分に伸展すれば、舌小帯切除術を行わないこともあります。
舌小帯付着異常は歯科健診でも見過ごされることもあり、保護者の方も気づかないことがあります。舌小帯付着異常があるからといって、必ず舌小帯切除術が必要な訳ではなく、必要に応じて柔軟に対応することが可能ですので、一度お子さんやご自身の舌小帯の状態を確認してみてはいかがでしょうか?
医療法人社団栄怜会ニコデンタルクリニック
東京都葛飾区立石2-26-17
03-3693-2880
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